川崎フォトエッセイ  その145  愛煙家    ←前 次→  HOME


 時代の風潮によって、扱われ方が変化する。煙草のイメージもそうだ。煙草を喫う人のことを、ことさら喫煙家と呼んだり、最近では、もっとマニアックに愛煙家と言ったりする。これは犬の散歩をしている人を、愛犬家と言うのと、何処か共通している。つまり、ある特殊な趣味の範囲内を指すような感じで、それでいて、個人的な趣味嗜好は尊重しないといけないという、もうぎりぎりとのところに追いやられているような言葉遣いである。

 愛煙家や愛犬家は宣言型的な物言いで「私は煙草が好きだ」などと、いかにも宣言しているような言い方になる。しかし、必ずしも愛煙家が、煙草を愛しているわけではない。「好き」と「愛する」の違いがある。

 今までなんでもなかった行為なのに、何らかの型にはめられてしまうのは、社会的な変化だろう。喫煙マナーなどに従うのは、トラブルを避けるために必要になった。それが社会人である。