数分前の出来事は、言葉の上では「過去」だが、非常に新しい過去である。僕らが関わっている今の生活は、その新しい過去の延長線上にある。たとえは一週間前の「過去」に頼まれた仕事をやっているとかだ。
しかしもう少し「古い過去」になると、もう、今とはそれほど関わりがなくなっていて、データ的にもプログラム的にも死んでいる。
さらにもっと「古い過去」、たとえば、僕が生まれる前に発生していたイベントとかになると、かけ離れすぎていて、映画でも観ているような雰囲気になる。
ましてや、旅行中に見た古い建物とかは、車窓のスクリーンに映るドキュメント映像を見ているのに等しくなる。ほとんど僕とは関わりのない世界の出来事なので「何らかの過去」を見ているだけなのだ。
それが、たとえ自分のことであっても、あまり古いと、人ごとのように思えてしまうときもある。