普通の風景写真を写しているとき、偶然飛び込んでくるものがある。その多くは通行人である。
僕はほとんど人物写真は撮さないが、風景の中に入り込んだ人物ならOKである。撮すつもりのないものが、画面に入ってくると、その偶然を面白く感じるからだ。それと、狙いすまして人を撮す根性が、僕にはなく、向こうから飛び込んできてくれないと、罪悪感を感じるからだ。
こちらの理屈としては「図らずも撮してしまった」ことになり、最初は撮す気はなかったので、確信犯ではないということで、許されるように思うからだ。
この種の待ち伏せ撮影は、街角などでやると、ミエミエである。ところが、草花を撮している場合は、通行人に、僕の撮影意図が示しやすいので、不審に思われない。
真正面からまともに撮した写真よりも、思わぬものが入り込んでいる写真のほうが興味深い。これは日常の奥行きの深さで、それなりにリアルで自然なのだ。