川崎フォトエッセイ  その250  暗い    ←前 →次  HOME

「暗い」は「明るい」と対になっている。言葉はデジタル的なので、その中間を表現する言葉のステップ数は少ない。これを数値で表すと、細かく言い表せるが、数値という言葉は無機的なので、イメージをすくい取りにくい。

 明暗だけで、物事が決まるわけではないので、一つのキーワードだけで、錠前を開けようとすると無理がある。まあ、ある局面を強調したいから、あるキーワードを使うのだろうが。

 白黒写真も、キーワードの一つで、それが写真であることだけでも、特異な切り取り方になるし、そのうえ色が付いていないことでも、見え方が違ってしまう。

 写真と実像とは違うことは、誰しも経験していることなので、誤差に対しての慣用度は免疫のように持っている。

 そんなことを考えていると、人は、何らかの鋳型をとっかえひっかえ用意し、さらに、その誤差を高速演算しているようだ。