鉄橋は鉄でできた橋である。その鉄と、鉄道の鉄とが同じ字なので、鉄道橋のことを略して鉄橋といってしまうのかと思ってしまう。ところが鉄や鋼材で組み立てられた橋でも、アスファルトで上を舗装してしまうと、鉄橋という感じはしない。当然その種の橋は、道路と変わらない。従ってその横の歩道を歩いていても、橋の上を歩いているようには、感じにくくなった。
たとえばそれが明石海峡大橋なら、海の上を渡っていることがわかり、嫌でもそこが橋であることが理解できる。その規模の橋は長いので、思いめぐらす時間も長いのだ。
市街地の橋になると、橋を渡っている間、多少なりとも広がりのある風景が視野にはいることがある。川を渡っているので、左右に建物がないからだ。
市街地を流れる川は、自然と接する隙間を与えてくれる。