川崎フォトエッセイ  その333  部品の欠落    ←前 →次  HOME

 何かが欠けると動けなくなる。機械や道具は部品が欠けると、モロに機能しなくなる。つまり動かない。

 精神的な何かの欠落は、逆に動きを与える。この場合でも気持ちは動くものの、実際行動には至らないこともある。機械と違い、人はチェックをくわえるため、規制がかかるのだ。

 その規制がどこから来ているのかを掴むのも容易ではない。そこをメンテナンスすれば、一時は動けるかもしれないが、すぐに元に戻りそうだ。

 今まで、あるジャンルに対しての動きができないので、思い切ってチェックをはずして機械的に動いてしまった場合、動いても想像していたほどには恐くないこともある。

 人は動くことにより道筋ができ、二度目は一度目より楽に動けることがあるが、「その欠け」を得たあとは、それほど魅力的には思えなくなるかもしれない。