川崎フォトエッセイ  その334  横断    ←前 →次  HOME

 横切る行為は勇気がいる。他の流れの全面に出るため、それなりに目立つ。しかし、それをしないと日常生活はできない。つまり多少なりとも他人の思惑とかを中断させないことには、暮らしていけないからだ。

 パターン化された横切り行為は、それなりに認知されているため、相手も認識しやすいし、また受け入れやすい。約束事ができているのだ。これはお互い様なので、受け入れ合うのが常識化している。

 ところが、横断のタイミングが悪いと、約束事が通じなくなり、思わぬ接触トラブルを引き起こす。いくら包容力のある人でも、寛容度を超えてしまうのだ。互いの思惑が見えないだけに、相手の腹の虫の居所が分からない。

 その種の横断によるトラブルにも慣れがあり、よくあるパターンとして認識してしまえば、割り切った対応ができる。

 ただ、こちらが思っている常識が、常に通用するとは限らないので、横切るときは勇気が必要だ。