川崎フォトエッセイ  その341  石碑    ←前 →次  HOME

 有名人の生誕の地を記した石碑は、墓ではないが、墓以上に注目度は高い。それは、墓は墓地とかへ行かないと見ることができないが、石碑は日常風景の中にある。つまり、道沿いにあったり、公園の中にあったりする。そのためか、目につきやすい。

 有名人とは、その名前や顔を、聞いたり見たりする機会の多い人だろう。その有名人のことを知らなくても、その名前や顔を知っているという意味である。

 石碑が建つほどの人なら、一般教養問題として、出題される可能性も高いので、知らないと恥になる場合がある。

 しかしよく考えると、名もない人は、ある土地で生まれ、ある土地で死んでも、一般の人からは思い出される機会はほとんどない。

 名をなした偉人は、名前に価値があるのではなく、その業績にある。たとえば、蕪村なら、彼の歌は今も生きており、今も影響を与え続けているはずだ。