「文化」という規模で、ものを考えることは普段滅多にないが、関西で「ブンカ」といえば「文化住宅」がイメージされるため、住居と絡むことが多い。
元来持っている言葉の意味がそこに含まれているにしても「文化住宅」の問題になると、「文化」の問題とは、趣が違ってくる。
文化住宅のほうがリアルであり、より具体的である。その意味で「文化」よりも、より現実的である。
文化は、さほど意識することなく、その影響を受けている。しかし、自分がどの文化圏に所属しているのかなどは、人から言われてみて初めて気づいたりする。
ある文化圏に居ながら、文化的な規模での違和感を感じるとき、それは、その人が圏外の人なのではなく、ある文化が持っている当然の齟齬感だろう。なぜなら、文化は取り決められた慣習や習慣のようなもので、自然なものではないため、誰もがはみ出す可能性を持っているからだ。
近頃は、文化住宅が取り壊され、マンションに建て替えられることが多くなった。文化は消えつつある。