川崎フォトエッセイ  その402 見え方    ←前 →次  HOME

 毎日のように見ている場所でも、写真で見るとかなり違う。それは印象の違いだろう。確かに一つ一つの物は見覚えがあるのだが、違う場所のように思えることがある。

 僕が見たそこと、カメラの目で見たそことは違って当然なのだが、それがカメラではなく、他の人が見た場合でも、おそらく違っていると思える。

 むしろカメラでの目のほうが、機械的なだけに、見え方のバランスがよいのかもしれない。カメラも気まぐれな写り方をする場合もあるが、補正しやすい。

 つまり写真で見た場合のほうが、より客観的な感じがする。撮影時にある程度意志を付け加えることが可能だが、意志がそのまま反映されるわけではなく、機械的に制御されるだけなので。

 人間の目は写真よりもリアルなのは、空間や時間まで情報として受け取り、わずかな時間に演算を繰り返しているためかもしれない。それだけに、立体的すぎて、見え方に癖が付くのだろう。