川崎フォトエッセイ  その409 日傘       HOME

 女性は日傘をさせるが、男性は滅多に日傘をささない。と、いうか、ほとんど見かけない。直射日光の下を歩くとき、男性でも日傘は欲しいところである。そのほうが機能的なので。

 昔は、高貴な人とかは傘をさしてもらっていた。決して自分ではささない。こうもり傘よりも大きな傘で、これは貴人が自分でさすには重すぎるのだろう。

 雨傘も日傘としてさしてもかまわないのだが、文化的なタブーがあるようで、その行為をすると、変に思われるだろう。男性が日傘をさしにくいのと同じかもしれない。

 機能的にそのほうが快適で便利だったとしても、文化的な壁が横たわっているようだ。この文化は一日やそこらでは補正できない。

 僕らは、柔軟な頭とか、進んだ発想とかを受け入れているようでも、日本人としてがんと存在する文化の壁を超えているようには思えない。まあ、超えたからといって、それで、快適になるかどうかわからないが……。