川崎フォトエッセイ  その426 非機能美       HOME

 ある効率の良かった機能が、時代と共に、そうではなくなってしまうと、その仕掛けは別の意味が加えられ、違った生き方をすることになる。


 古くなった機能でも、実際には相当な年数維持することができる。ただ、その同じ機能を、今作ろうと思えば、新しい素材や形でしか再構成できない。そのため、古い時代に作られたものは、プラスアルファを含んでいる。


 建物でも、古い建物には、今では手間やお金がかかりすぎて、再建できないようなものが残っている。だからこそプラスアルファ的な味わいを感じるのだろう。


 しかし、この味わいは主観的なものであって、あくまでも感じであり、機能と正比例するわけではない。むしろ機能的には、そのプラスアルファが邪魔をすることもある。


 素早く快適に、機能的に、が、逆に精神的に圧迫を受け、ストレスになることもある。