川崎フォトエッセイ  その431 パターンイメージ       HOME

 街には景観がある。それは、その街のイメージだ。そのイメージは現実的ではないこともある。つまり「イメージとしてのイメージ」である。何処にもその街のイメージを言い表しているような建造物や風景がなくても、「印象イメージ」としてイメージ化されている。

 その街が単なる住宅地だとすれば、そこにある駅は、民家風の駅舎のほうが、景観として馴染むだろう。ただ、住宅地といっても、高層マンションが建ち並んでいる土地では、マンション風駅舎が選択されるかもしれない。だが、マンションはビルディングであり、見ただけではオフィスビルと変わらない場合もある。小さな街の駅にビルディング規模の駅舎など、大きすぎるかもしれない。

 街は、誰かがデザインし、統一を与えようとすると、とたんに堅苦しくなる。さらに言えば、統一感のないデザインでも、同じことだ。そこに「わざとらしさ」が見えてしまうと、とたんに街の生命力はなくなる。これもまた、僕が抱いているイメージの問題かもしれない。