川崎フォトエッセイ  その450 猫との距離       HOME

 あまり人に懐いていない猫は、ある距離に近づくと逃げていく。その距離が何メートルであるかは猫によって異なるだろうが、危険を感じる距離があるようだ。

 普通の人は、別に猫に近づいて、危害を加えようとか捕獲しようとかは思わない。むしろ猫の存在など気づいていない場合もある。

 猫の好きな人なら、直接触れたいと思うかもしれない。その距離は猫にとっては最高に危険な距離で、生死に関わる距離でもある。

 懐いていない猫でも、そこに食べ物があると近づいてくる。食べ物の横に人がいる場合、人間という動物が飛びかかってくる距離を、猫はそれなりに計算しているようだ。そのときは普段より人に近づいており、距離はかなり縮まっている。

 人間同士の場合も、至近距離にまで近づかれると、動物的な勘が働くようだ。つまり、パンチやキックが飛んでくる距離、頭突される距離、噛みつかれる距離などだ。当然精神的な関係での距離が存在するのは言うまでもない。