川崎フォトエッセイ  その523  社会的動物      HOME

 動物と言われるだけあって、ヒトもよく動く。しかし生物的な本能で動いているのではなく、社会的なことで動いているところに違いがある。

 会社へ行くという動きは、勤務先が餌場になっているわけではなく、何段階にも及ぶ間接的な過程を経てご飯にあり着けるのである。食べるために動くのであれば、スーパーの食料品売り場へ向かうだろう。また、田畑に直接向かったほうがより本能的であるが、スーパーも田畑も社会的なからくりの上でできており、社会的約束事を破壊すれば、人として生きていけない。

 食べるために動くだけでは社会人としては物足りないのか、世間体などを気にすることがある。

 健康を害し、何も食べられなくなったとき、回復し、ただ単に食べるだけの行為が素晴らしいと思うことはあるが、忙しい毎日を送っていると、食べることそのものが面倒くさいこともある。