川崎フォトエッセイ  その547  不気味になる      HOME

 世の中には不気味なものがある。というより、世の中は分かっていないことばかりで、よく見知っている物事でも謎はいくらでも発生する。

 僕らは何らかの関係性によって日常生活を営んでいる。その関係性は恒久的なものではなく変化するし、関係の仕方も違っているため、お互いに同じ関係にあるわけではない状態で関係していることになる。

 不気味な現象を感じてしまうのは、その関係性がいつもと違う角度をかすったりしたときだろう。関係性が固定している場合、少しずらすと、もう基本的な関係さえも崩れてしまうこともあり得る。

 人や物事が不気味に見えるのは、一度もある任意の角度で関係したことがない領域に立ち入ったときだろうか。

 実際には自分の外は全て不気味な存在である。そのことを忘れると、思い違いを起こしやすいようだ。