川崎フォトエッセイ  その584  インターフェース      HOME

 庭を横切る廊下は横への移動だが、その廊下に壁と障子窓が加わると、縦への移動も加わる。空間は切り取ることによって、見え方が違ってくる。

 廊下は歩いて移動するためだけではなく、庭があれば、縁側となり、そこから庭へ降りていけるし、また履き物を履いたまま座ることもできる。

 表玄関に比べ、庭はひょんな所から出入りできる。正式な訪問ではない場合には重宝する。庭先での立ち話もあれば、縁側で座ることもある。

 座敷に上がるほどには長居しないとか、また上がると形式張ってしまうとかの場合、縁側は重宝する。縁側は家の中ではなく、その境界線なので、客も家に上がったわけではない。座敷に比べ、縁側は座る場所にこだわる必要はない。

 庭を自然の一部のように見立てると、そこは外になる。実際には敷地内には変わりはないのだが、空間を仕切ることで、インターフェースを切り替えることになる。