川崎フォトエッセイ  その602  渦中の人      HOME

 自分がどういう状況の中にいるのかは見えにくいものだ。自然な行為だと思っていても、周囲から見ると、とんでもないことだったりする。

 非常に危険な状態であっても、本人はいたって平和で、のんびりしていることもある。「渦中の人」が必ずしも心配されているような状態ではないかもしれない。

 他の人が、みんな分かっている事柄で、本人だけがそれを知らないこともある。あとでそれと知らされて愕然とするが、その時は気づかないのだ。

 誰かに何かを気づかせる行為は、場合によっては「骨折れ損の草臥れ儲け」的になることもあり、余計なお節介を焼くのをためらうものだ。

 状況判断を迫られたとき、次なる行為への指針は想像力に頼ることになる。ここでの食い違いや思い違いが最後までトラブルの元凶になってしまう。