川崎フォトエッセイ  その618  見かけ      HOME

 他人と他人との関係は、外見からでは分からない。この場合の「分かる」とは、一般的な言葉で置き換えられる関係を指す。置き換えられた言葉には普遍性があるが、ずれはつきまとう。

 また、時代によって「関係を指す言葉」も中身が変わったり、受け取られ方が違ったりするため「一般」も変化する。

 それでも、おおよその察しは付くわけで、言葉が意味を失っているわけではなく、一般的な常識が消えてなくなるわけではない。

 言葉では割り切れない曖昧な関係もある。これは人に対してだけではなく、物に対しても言える。何かを所有していても、持つにふさわしい行動が伴っているとは限らない。

「見かけ倒し」という言葉がある。昔から人間の心理状態のほとんどは、言い表されているのかもしれない。そう言う意味での普遍性はあるようだ。