川崎フォトエッセイ  その642  色目      HOME

 植物の葉は寒色系が多いが、その花は暖色系が多い。一種の補色の関係で、花が目立つ。寒色系は奥へ引っ込む色だが、暖色系は飛び出す色だ。そのため尚更花は浮かび上がって見える。

 絵画やデザインで使われる色は自然から得たこの見え方のパターンを「書く」という作為的な世界で利用している。

 人が現実の色を、どのように見ているのか、その色目は人によって、おそらく異なるだろう。同じ色を見ても、微妙に違うのだ。しかしその差は他人の目になってみなければ分かりようがない。

 そういった超アナログ的な微妙に受け止め方の異なることは大目に見て、大まかな色目の違い程度なら共通するはずだ。

 生理的な事柄にはリアリティーがある。しかし、それをどう感じるかで現実の受け止め方は微妙に異なる。その違いがさほど影響のないことなら、違いばかりを言い出すのは、悪い癖かもしれない。