川崎フォトエッセイ  その680  猫の居る街      HOME

 猫が住み着いている街は、住みよい街かもしれない。逆に言えば猫が居ない街は、何かが欠けている街だ。

 犬は人に懐くが、猫は家に懐く。犬はとんでもない場所でも辛抱して暮らしているが、猫は我慢できないようだ。

 僕らは街で猫を発見するが、猫も僕らを発見している。猫から見られているのだ。猫にどんな感じの印象を与えているのかは分からない。それは、こちらが猫の状態を表面的にしか見ていないのと事情は同じだ。

 生き物から見られていると、それなりの視線を感じる。猫は人間を意識している。それが人という動物である以上に、どういう人なのかも見ているようだ。

 猫は自分中心にものを考える。自分さえ気持ちよければ、好きな振る舞いをする。人間にとって、それが許せない行為でも、猫にはそれが分からない。

 猫のように勝手気ままな生活が出来たらよいとは思うものの、猫の気持ちは人が見た推測なので、本当に気持ちの良いものであるかどうかは分からない。