川崎フォトエッセイ  その682  寄り添う      HOME

 家も人も寄り添うように立っていると暖かいものを感じる。それは孤立感や孤独感が世の中にはあるためだろう。

 寄り添う関係も孤独な関係も、一長一短で、全ての事柄で寄り添うのも面倒だし、孤独なのも淋しい。

 人は元々一人では生まれてはこれないし、死ぬ直前まで一人では生きてはいない。ほとんどの人が、死の直前から死後まで、人との関わりを持ち続ける。

「所詮人間は一人」という、考え方もあるが、それは精神的な事柄を指すことが多い。また、その人の精神そのものも、周囲の人との関係で、育まれ、成長してきたものだ。

 孤独感もまた、他者との関係で発生することで、これもまた他者と関係していることである。

 周囲に誰も人がいなくても、見知らぬ人々の視線は感じる。見知った人が必ずしも孤独感を癒してくれる暖かい眼差しであるとは限らない。