川崎フォトエッセイ  その684  走る      HOME

 日常の世界では、大人よりも、子供のほうがよく走る。走る目的の多くは、距離を縮めるとか、早くそこへ行きたいとかだ。

 この種の単純な走り方は、大人になるほどやりにくくなる。師走で、先生も走るが、これは精神的な意味だろう。

 子供は遊びでかけっこをする。歩くよりも走るほうが早いため、相手より先に到着したければ、ためらわずに走れる。

 大人が町中で走れるとすれば、それはスポーツとの絡みだろう。この場合、目的を明快に見せるため、それなりの服装が必要だ。

 急いでいるときは走るよりも、早足で歩くほうが好ましい。走ると注目を引くし、自分のリズムが変わってしまう。走るリズムと歩くリズムは違っている。それは専念力の違いだろうか。

 走ると視野も狭くなる。スピードが出るため、前方を注意しなければいけなくなる。呼吸も変わるし、体力の使い方も強い。これは、日常とは少し違う世界だ。