川崎フォトエッセイ  その736  舞台       HOME
 ベースは空間的で、ペースは時間的だ。日常ではそんなことは意識しないで暮らしている。

 ベースやペースは抽象的だが、そこに具体的なものを重ねると現実のものになる。僕らが接しているのは、その世界で、抽象概念ではない。

 世界は芝居の舞台のように、そこにあり、セットが変わり、役者が変わっても、その場所で興行されている。

 僕らは観客であると同時に共演者であり、さらに主演でもある。

 自分という物語は自分の中では綿々と続いており、観客である他人は、その断片を見ている。

 見ている観客も、その人の物語の中での一エピソードであり、演じられてる脚本が違う。

 興業は毎日続き、休演日はない。舞台は敢えて作らなくても、めくるめく移り変わり、切り替わる。