川崎フォトエッセイ  その741  闇へのディバイス       HOME
 科学的で、合理的な世の中になれば、不合理なものや、因果関係が不明なものは排除されていくと思っていたが、そうではないようだ。

 科学そのものが謎に突き当たり、因果関係を越えた訳の分からないものがその先に見え隠れしているため、その先はすらすらと解き明かせなくなった。

 ある人にとっては不合理な事でも、ある人にとっては安定したシステムとして息づいている場合、ある意味でそれは合理的な処理系だと言える。

 人は誰もが一歩先は闇で、合理的な将来設計も、一瞬で不合理と遭遇する。小賢しい先読みは、当てにはならず、常に闇と向かい合って暮らしている。

 闇のシステムは分からない。しかし、ディバイスは太古からある。単にその種の闇があることだけを、認めている。

 闇の実体ではなく、闇の存在を念頭に入れているというレベルで、十分機能しているのかもしれない。