川崎フォトエッセイ  その747  土の記憶       HOME

 土を見ていると、懐かしいような気持ちになる。これは人類が受け継いできた古い記憶が残っていると解釈すると分かりやすいが、文学的すぎる。

 確かに土や砂、岩や山、水や河、そして海との関わりは、太古から親しまれてきたもので、扱われ倒してきたことだ。それに対しての慣れが、今も何処かに引き継がれているようにも思える。

 しかし、現代人は、子供の頃から地面はアスファルトやコンクリートで、土と触れあう機会が減っている。幼い頃の記憶としての「土」が残っていると、今見ても、懐かしいと思うだろう。それを人類共通の記憶と繋がるかどうかは分からないまでも、接触箇所が減ると、土が特別なものに見えてしまうかもしれない。

 園芸や陶芸等でしか土と触れあう機会がないとなると、太古の記憶も封印されるおそれがある。