その749 放置野菜
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栽培された野菜が出荷されないまま放置されているのを見ると、もったいないように思える。それは食べることができるのに、流通に乗らなかったため、商品価値を失い、土に帰ることになる口惜しさがあるためだろうか。
しかし天然に育った植物は、花が咲き、実を結んでも、自然の循環の中を巡るだけで、人や社会が介入することなく、まさに自然に振る舞っている。
なすびやキュウリも、形が悪いと出荷されなかったりする。荷造りの時、無駄な空間ができたり、見た目が悪いことが原因だろうか。
農地は人の土地である。そこに、明らかに捨てられているものがあっても、それを拾うのは問題が生じる。他人の所持品を黙って頂戴することになる。
しかし、動物や虫は、社会的約束事を無視して振る舞っている。彼らの世界にも、取り決めがあるのだろうが、人間には見えにくい。