川崎フォトエッセイ  その776  福助       HOME

「福助」は、字句通り福与かな飾り物である。福の中には富も混ざっているだろうが、そちらのほうは「招き猫」のほうが、よりダイレクトだ。より具体的な方法になると、動物を使うのかもしれない。

 福助は童顔で裃装飾なのがいじらしい。武士階級でなくても、江戸時代、名字帯刀を許された庄屋さんや土地の有力者もいたのだから、福助は正装で貴人に接しているような雰囲気がする。これは一種の接待なのだ。

 裃は武家の正装で、その姿で、農家や商家の客に接するとなると、客も悪い気はしなかったはずだ。

 自給自足がある程度できる農家では商売はそれほど重要ではなく、豊作や魔除けのほうが必要になる。座敷童などはその種のキャラである。

 子供は神秘的な世界と接しているような節があり、大人は現実オンリーになる。現実の采配だけでは、足りない箇所があり、それが「縁起物キャラ」がフォローしているのだろう。