川崎フォトエッセイ  その777  擬人化       HOME

 擬人化は、特徴だけを抜き出したようなキャラクタとなり、実際以上にリアルに感じるのだが、本当はそんな人など存在しない。

 リアリティーは感じる側の感度で決まるようで、その意味で曖昧なものである。しかし、その人が感じたリアリティーは、象徴的な印象となり、そのイメージを変えるのは容易ではない。

 僕らはある人物を見るとき、何らかの象徴的イメージと照らし合わせている節がある。そこにいるのは人間なのだが、それが動物のように感じたりする。そう見えてしまうのだ。これは感覚的なものなのだが、そう感じてしまうことは否定できない。

 その種の印象は、頭の中だけの世界なのだが、それを形にすると、分かりやすくなる。

 それがあり得ないような形でも、そこに人間の持つ何らかの印象が写し取られていると、あり得るかもしれない存在になる。決して人をそんな形で見ているわけではないのだが、印象が形になるとはっきりする。