川崎フォトエッセイ  その779  ふくらみ       HOME

 夢や希望を膨らませることは、状況としてプラス思考が可能な気分の時だろう。膨らませようにも、そのゆとりさえないときや、材料が何もないときなど、その夢見が虚しくなる。

 いっそのこと、全てがフォーマットされてしまい、何もない状態からのほうが、夢は見やすく、また膨らませやすいものである。

 現実の状況は手枷足枷となる諸処の呪縛内にあり、ある夢が現状を狂わせ、逸脱となることもあり得る。

 今の状況に見合ったその展開上での膨らませ方もあるが、その方向に可能性は薄く、魅力も薄いとなると、別方向で膨らませることになる。

 しかし、単に豊かさを望むのであれば、ネタは何であってもかまわなくなる。ある境地に立ちたいがための手段が、ネタの役目なのだ。

 ふくらみに満ちた世界を目指すことは、しぼむことも背負うことになる。