川崎フォトエッセイ  その807  朝顔       HOME

 朝顔、昼顔、夕顔、と、時間帯によって、人の顔は、それほど変わらないのだが、顔立ちではなく、その背景や環境の影響で、同じ人でも表情が変わることがある。くどいようだが、実際の顔立ちではなく、情緒的な趣を指しているのだ。

 朝顔は昼にはしぼんでいる。人との比喩で言えば、朝型の人なのだが、実際には夜中に起きている人かもしれない。なぜなら、昼には眠っていそうな感じがするからだ。

 朝顔が咲いているのを見るには、お昼まで眠っている人には無理だ。起きると昼過ぎとかの人は昼顔なら見ることができる。

 昼顔は深夜に働いている人のイメージがある。その職業は「夜の蝶」などと呼ばれたりもする。

 この種の比喩は、あるポイントだけは正しい。そのポイントとは、情緒的な面だろう。

 その人の人格ではなく、生態を言い表している。しかし生態が、その人を言い表すわけではない。