その830
知る
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閉ざされているものは不気味である。閉ざれ方が大層な仕掛けであればあるほど不気味さも高まる。
不気味さは謎に対する不安感から出ている。知らないことがあると不安である。だが、知らないとか知っているとかの判断を起こさないものに対しては、その限りではない。
よく物事を知っている人ほど逆に不安要素も拡大するかもしれない。この世は知らないことの方が多いからだ。しかし、おおよそのジャンル分けがあり、対象を知らなくても、その機能や役割は察しがつく。
知ってしまうことによる不安、知らないことによる平穏。 理想的には、知っていても、知らなくても、ある常識範囲内でバランスよく思考展開できるのが好ましい。
知っていることを誇示するあまり、皮一枚、言葉一つのガードになることもある。さらに、よく知っていることでも、知り尽くすことは不可能だ。