川崎フォトエッセイ  その875  幻の町       HOME

 少し奥まった場所へ行くと、人と建物が程良く慣れ合っている町がある。人が歩くための小道があり、樹木が茂り、落ち着いた建物がある。

 当然そんな町や村落は、昨日今日できたわけではないため、昔からの「定住民」が住んでいる。先祖代々、その風景を磨いてきたような感じである。

 その意味で、よそ者がその町に来て、暮らすというのは、美味しいところ取りになるだろう。

 人にとって住みやすさだけが宅地のメインとはならない。通勤通学、学校や病院、コンビニやスーパーが近くにあるか、などなどを考慮すると、都市化の進んでいる町がポイントも高くなる。

 この時代は車社会であり、玄関先に車を入れにくいような小道は、不便を感じることもあるはずだ。

 そうなると、人が磨き上げた来た良い町への引っ越しなどは、幻となりやすい。