川崎フォトエッセイ  その895  絵巻物       HOME

 日本の絵物語とかに出てくる人物描写は、人の動きがかなり誇張されている。特に主要人物ではないその他大勢の庶民の姿がそうだ。

 絵物語である限り、そこに登場する人物は、鑑賞するときに説明しやすいように、語れやすいポーズをしている。

 その時代に写真があって、同じシーンを写したとしても、曖昧なポーズとなったままの人のほうが多くなるはずだ。

 昔のそういう絵を見たのち、実際の人物を見ていると、誇張されたポーズの絵とだぶってしまうことがある。

 日常の中では、特に日本人は大げさな仕草はしない。全ての絵物語や絵図の中での人物がオーバーではないものの、その動きの中に、日本人の語り方が、読みとれることがある。

 絵は言葉ではないが、言葉遣いを彷彿させてくれるような仕草が、そこにあるように錯覚する。

 当然のことながら大昔の日本人の声は残っていない。しかし古い絵を見ていると、声の雰囲気まで想像できそうな気分になる。