川崎フォトエッセイ  その959  水都       HOME

 大阪は水の都と呼ばれているが、それは昔のことだろう。実際に多くの市民が水運を利用し、生活の中で川の水に親しんでいるわけではないからだ。言葉だけが一人歩きしている例である。

 都市や地域にキャッチフレーズがつくと、実体とは違うところを一人歩きすることになる。言葉は実体を指すことになっているため、その言葉の実際を知らない人々に、妙なイメージを抱かせてしまうこともある。

 また、その土地の人も、その印象に乗っかり、利用することもある。世間一般で流通している印象は強いため、すんなり通ってしまうためだ。

 その印象に対して、誰も迷惑がかからないのなら、詮索する必要はないのだが、実際との違いに遭遇した場合、印象違いを与えてしまうことになる。

 僕らは与えられた情報による印象を受けやすい。実際の事を知らなくても、そう言うものだと思いこみやすい。