川崎フォトエッセイ  その1002  遠距離       HOME

 昔の人が、遠距離の相手と中間地点などで待ち合わせる場合、数日間のずれがあるはずなので、それだけのことで、宿屋で滞在していたはずだ。

 遠距離の旅は命がけである。事故もあるだろうし、体調を崩し、動けなくなることもある。

 その中間地点へ行くまでの道中、これから出会う人のことや用件に思い巡らせる時間も長い。また、宿屋で待ち合わせ中も同じだ。

 旅の日々は日常とは切り離される。家族に連絡するにしても飛脚とかでは、時間がかかる。電話代に比べれば、べらぼうな料金がかかるだろう。

 飛行機や鉄道や、高速道路のおかげで、目的地までの時間は短縮された。そのため、遠方から来た人を見ても、珍しいものではなくなった。

 時間の短縮が、情緒面にも影響を与えてしまったのだろう。