川崎フォトエッセイ  その1011  自由時間       HOME

 道が鋭い角度で分岐していることがある。両方の道の先が同時に見える。似たような展望だと、どちらを選んでも大差はないように見える。

 今まで歩いて来た道の延長線上にある、つまり真っ直ぐ側の道を進むほうが無難だ。と、言うよりそのほうが歩きやすい。

 しかしY型になっている場合、真っ二つに左右に分かれるため、足をどちらかへ曲げないといけなくなる。

 別に駅前へ行くのが目的でもなく、単にその界隈を探索したいだけの道中なら、面白味のありそうな側を選ぶだろう。

 この余裕は、目的地が、足元であるためだ。いずれは岐路のための道を選択する必要があるにせよ、まだその時間ではないため、自由に彷徨えるのである。

 つまり、ある時間が、ある空間の自在さを与えてくれるのだが、この時間には限界がある。

 自由は、どちらを選んでもかまわないことだが、どちらでも良いこともある。

 

 

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