川崎フォトエッセイ  その1012  日本人       HOME

 和式の建物が消えていくのは残念な気がする。今残っている建物が取り壊された後、同じ様式のが建つとは限らない。ほとんどの場合、趣が全く違うものに換わることが多い。

 それは生活様式や文化が、それが建った時代とは大きくずれたためだろうが、そのずれ方が鋭利過ぎる。

 この国は民族的な形にあまりこだわらないのかもしれない。古代から異文化の形や機能を取り込んできたため、日本古来からのものを探すのは逆に難しい。

 その意味で、あっさりと模様替えが出来るのだろう。

 異文化の形や機能を利用してきた文化は、オリジナルな芯が希薄なため、融通が利く利点もある。

 民族意識が希薄なわりには、人間としてみた場合、しっかりと日本人をやっていることもある。つまり日本人という性格だ。