川崎フォトエッセイ  その1027  イメージ像       HOME

 仏像は人が作ったものである。仏様の姿は当時の人達のイメージである。そのため国や時代によって姿は異なる。

 日本人が始めて仏像を見たとき、少なくとも顔形やファッションの違いを感じたはずだ。逆に言えば当時の日本人と同じ雰囲気の人物像では距離感が近すぎ、畏敬の念も日常レベル内で収まってしまうだろう。

 異国の動物、例えば象の頭をした神様なども、日常レベルでは見ることはまずないだろうから、神様のレベルに近くなる。しかし、毎日象を見ている人によっては、ありふれた姿とになるだろう。

 日本の仏像も、長い年月を経ると形も固定していく。コピーのコピーであったとしても、仏像に名前がある限り、その形を受け継がないといけない。

 最初に仏像なり仏画を書いた人の影響が今日まで繋がっている。その作者は本物の仏様を見たわけではないはずだ。あくまでもイメージなのだが、定着すると、その姿以外の形は考えにくくなる。