川崎フォトエッセイ  その1032  標準の水平       HOME

 いつも日向でいるものが、日のあたりにくい場所にいると、場違いなような印象を受ける。

 そのものは、そのものだけで存在しているのではなく、その周辺と共に在る感じだ。

 当然、それを観察している人も、自分の周辺と共に在るため、そこからの視点で見ることが標準の視点となる。

 しかし、いつも同じ視点からものを見ているわけではない。標準からずれたり、またはまったく別の観点に立つこともある。それでも標準の視点が消えたわけではない。一時、別な視界から見ているだけで、いつもの自分は頭の中にきっちりと存在している。

 見るもの、見られるもの、その双方が、今どの位置にいるのかは計り知れない。精神的なポイントも移り変わるため、同じように反応するとは限らないのだ。

 その意味で、標準の水平は大切なベースとなる。標準から外れていても、そのはずれ具合を把握していける。