川崎フォトエッセイ  その1037  社会の窓       HOME

 窓は社会に向かって開かれている。窓の内側そのものが社会的空間であるため、内も外も社会だ。

 窓があることは、建物があることであり、建物は社会的規範をパスしていないと、建てることさえできない。自分で適当に建てたとしても、材料のほとんどは社会的規格を備えているものを使うことが多いので、社会を受け入れていることになる。

 その建物に人が住む場合、家として認めてもらえない状態なら、社会生活はしにくいだろう。

 窓は社会的仕掛けの中にある。そのため、窓から出入りするようなことはしない。物理的にそれは可能だが、それをするのは泥棒ぐらいだろう。

 人は強引なことをすると、それまでの意味を殺してしまうことになる。やってやれないことはないが、社会システムから制裁を受けるだろう。

 新しい意味として、社会が認めれば別だが。