川崎フォトエッセイ  その1050  高さ       HOME

 犬や猫と似たような高さから見ると、見るものが多少は違って見える。しかし、決して違うものを見ているわけではない。

 人もローアングルで、街角を見ようと思えば、見えないことはない。しかし、姿勢が不自然になるため、その状態で移動するのは大変だ。

 大人より子供のほうが背が低い関係から、子供もローアングルでものを見ていることになるのだが、身長が伸びるのがゆっくりなので、目の高さの違いもゆっくりとした変化なので、気づきにくいだろう。

 だが、幼いころ遊んでいた板塀や石垣などを大人になってから見ると、低い印象を受けるはずだ。映像として残っているのは昔の目の高さのためだ。つまりローアングルの映像が記憶されているのに近い。

 単純な高さだけの問題なのだが、人はその一寸した差が質の違いや方向の違いにまで持っていってしまうから恐ろしい。

 

 

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