川崎フォトエッセイ  その1051  平面的       HOME

 平面的なものは落ち着くことがある。奥行きのあるものは。斜めから見るため、面積が掴み難い。

 奥行きに対する不安感は、把握していないことに対する不安感に近いものがある

 平面的なものとは、ある一面しか見ていないことなのだが、多面なものを見るよりも疲労度は低い。しかし、この疲労感を快感として味わうこともある。

 現実に存在するものは全て奥行きがある。つまり立体物だ。たとえ、それが紙であっても、紙にも厚みがある。そうでないと見える形で存在しにくいからだ。

 空中に映し出された像には厚みはないが、背景条件がそろっていないと、見ることは出来ない。空気にも厚みがあるかもしれないが、空中の中に含まれているゴミやチリなどは、人間の目からでは厚みを認識することは出来ないだろう。

 平面は存在しないが、平面的なものは存在する。目で見たものを、単にレンズや映写機のように見ているだけではなく、意味やパターンや情緒などが加え、解釈して見るためだろう。

 

 

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