川崎フォトエッセイ  その1066  喫茶店へ       HOME

 人が居る場所へ行きたくなると思うのは、何故だろう。ある場所へ行くのが目的なのか、その場所で人を見るのが目的なのか。

 人を見に行くのは、自分も見られることである。他者に見られることにより、他者の中に自分が存在する。

 喫茶店などで、見知らぬ人々の中で、座っているだけでも、その存在感はある。この存在は他者から見れば大したことではない。それはこちらから見ても同じだ。

 匿名的存在で、関わりのない状態で見たり見られたりする。

 互いに何かを確認しているとしても、人がそこにいる程度だろう。

 だが、その「人」は、人一般であり、広く言えば世間と繋がっている。その繋がりが欲しいのかもしれない。

 単に繋がっているだけでも、自分の存在に対し、それなりの充実感を味わえることもあるのだ。  もう、そういう場所にさえ行けなくなった状態から見れば、尚更だ。

 

 

川崎フォトエッセイ  その1066  喫茶店へ       HOME