川崎フォトエッセイ  その1077  シンボル       HOME

 それが土で作ったものであっても、何らかの形をしていると、その性質を引き継ぐように感じられる。

 つまり、ある形や形式を踏むことで、シンボル性を得ることが出来る。そうなると、もうそれが土であろうと、誰が作ったものであろうと、シンボルだけが抜き取られ、一人歩きすることになりかねない。

 それは言葉も同じで、シンボル性の高い言葉は、呪縛性を帯びる。

 形に囚われたり、言葉に囚われるのは、呪縛性があるからだ。

 語っている人や、作った人から離れ、それぞれの受け止め方の展開で、取り込んでしまう。

 しかし、形や形式だけでは、抽象度も曖昧で、より感性的なところでの展開になる。

 その感性は、言葉のような明快な言い切りが出来ないため、何を伝えようとしているかは分かりにくい。

 だが、言語化される以前の空気や気配は言葉よりも根源的だ。

 

 

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