その1095 　共同　 　 　 　HOME

　靴を脱いで歩かなければいけない廊下が懐かしい。

　この場合、細長い座敷と同じで、非常に私的な空間だ。

　そこを行き交う人は、その建物の住人か、用事のある人で、私的を共有する感じだ。

　靴を脱ぐと、靴下や素足になる。洋服を着ている場合、靴下スタイルは様にならない。ズボンやスカートは、靴を履いたことを前提に作られているように思えるからだ。

　昔のアパートや下宿屋は、共有するものが多かった。共同便所や共同炊事場、共同風呂場。そして当然共同の玄関や下駄箱。

　マンションなどは、複数の所帯が入っているが、アパートや下宿屋は、その建物が一つの所帯のような趣があり、住人は疑似家族の一人だ。

　私的な空間なのに、他人との接触が、すぐそこにあると、プライベートが危うくなるが、人との接触は鍛えられるような気がする。