川崎フォトエッセイ  その1103  ワンポイント       HOME

 簡単な仕掛けのように見えていても、密度の高い箇所がある。その密度は、作る上で、形を整えたり、考案するためにかかる時間的手間暇だ。

 その面全体に密度がある場合、圧倒されるが、その面の一部だけに施されている場合は、その細工に対する注目度は高くなる。

 ワンポイント的密度は、大した密度がなくても、やはり目がいく。

 何もないところに、ぽつりと、何かがあれば、それは目立つに決まっている。

 そこに視線が集まることを作る側も意識し、それなりの緊張感で臨むのだろうか。

 一品料理の味わいは、その一品しかないため、その一品の中の深い階層まで、開かれていく。他になにもないのだから、奥へ突っ込むしかないのだ。

 圧倒的密度で、迫る方法とは別に、居合い切りのように、切れのよい間合いを楽しむ方法もある。