川崎フォトエッセイ  その1124  ミニチュア       HOME

 小さな人形でも、その視線まで自分の目を落としてやると、人形と同じ視線で、街を見ることが出来る。

 しかし人形は人が作ったもので、その大きさは自然に出来た寸法ではない。

 例えば、鼠の視線は、鼠にとって普通の視線である。鼠の大きさは自然に決められており、人間の視線ほどには高くはならない。

 しかし、人形は、そのモデルになった人物などの大きさから見れば、小さくも大きくも出来る。

 人形のサイズと、背景のサイズが同じなら、自然な見え方になる。

 人形は、人形の置き場所があり、そこから離れた人形は、その世界から離れてしまい、背景世界を背負えなくなる。

 街のサイズは人間のサイズに合わされている。人が入れないほど小さなドアはないだろうし、車が通れないほど細い自動車道はないはずだ。  

 

 

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