川崎フォトエッセイ  その1133  偽猫       HOME

 実物と、似たような輪郭をしているものは、遠くから見ると、本物のように見えることがある。

 しかし、近づくにつれ、それが、イミテーションであることが分かる。それが分かる距離感があるようだ。

 それは、反応のようなものだろう。あるところまで近づくと、本物なら、それなりの反応があるはずなのに、それがない場合、認識を変える必要が出るようだ。

 それが、本物ではなかったことによる落胆と同時に、良くできた偽物に対する驚きも発生する。

 そのものが、反応する、つまり双方向性がある場合、片方向に切り替わることにより、ほっとすることもある。

 双方向は、情報や情感などのやりとりで、相手がどう反応するのかは不確実だ、それだけに、プレッシャーのようなものがある。

 何も反応しないものに対しては、自身の気持ちの中での対話のようなもので終わるのだが、そのほうが平和なこともある。

 

 

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