川崎フォトエッセイ  その1138  座る       HOME

 公園や運動場などで、男がぽつんと座っていると、妙な感じだ。

 本来、そこに座ってもかまわないし、またそういう風に出来ているのだが、正体不明者として見られやすい。

 日本には公園に対する歴史や伝統がないためなのだろう。行くところがなく、目的もない状態で、座っている人は、そのあとの行動が不安定だ。

 どんな動きをそのあとするのかが読めないためで、実際には単に座っているだけでも不審がられる。

 公共の場での単独行為者に対する警戒心はかなり、高い。

 一人でいると、寂しい人のように思われたりもする。また、仕事や用事もなく、途方に暮れているようにも見られる。

 その意味で、公園などでは、一人で安らいだり、くつろいだりする状況ではない。

 町中の公園は、不特定多数の人が出入りする場所ではなく、ごく限られた人達しか利用出来ないような、村意識が継続されているのかもしれない。

 

 

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